社会的に最適な教育支援制度を考えてみよう(その3・教育無償化)

こんにちは。

社会的に最適な教育支援制度を考えてみようシリーズの3回目です。
1・2を読んでいない方はこちらからどうぞ。

エントリーNo.2 教育無償化

最近、教育無償化を掲げる政党が増えてきましたよね。この前の衆院選なんかも(メインのトピックではないですが)日本維新の会が完全無償化を掲げて躍進。その他共産党なんかも段階的に無償化を実現すると主張しているようです。(ソース:教育・子育て | 各党の公約 2019 | NHK選挙WEB

では、またまた判断基準を記しておくと、

①資金制約の緩和
②教育の機会平等
③私的収益率の向上
④政策の簡素さ

この4つでした。

①の資金制約の緩和に関しては、当然ながら満たしていますね。なんたって、無償化 ≒ タダ、ですからねぇ。

ただ、②の教育の機会平等という面では△ですね。教育無償化と聞くと一見機会平等が実現できるかと思われがちなんですが、実はそうでもないみたいなんですねぇ。

当たり前ですけど日本の大学の数は限られていまして、入学できる人数には限りがあります。しかし、教育無償化が実現するとまあタダですから進学希望者数は増えますよね。そうなると、教育機関に超過需要が発生するわけなんですが、需要と供給の関係から超過需要が発生すると価格が跳ね上がりますよね。それにもかかわらず無償化を続けてしまうと無償化が無ければ学費に使われていたはずのお金を塾や予備校に回すことになります。(なにしろ超過需要で入学しづらい状況なのでなおさら)

もうおわかりですね。無償化で浮いた費用は塾などの市場で調整されるだけで、貧しい人は注ぎ込めるお金がない(教育無償化は基本的に塾などは対象外だし)ので、あまり教育の機会平等って言うのは担保されないわけです。

そのため、塾や習い事などのクーポンもセットで支援しちゃえみたいな話もあるっちゃあるみたいですけど、そこまで行くとどこまで支援するのか、どこで線引きするのかが難しくなっちゃう気はするんですよねぇ・・・

で、③の私的収益率はばりくそ上昇しますね。全員無償化なわけですからね。

④の簡素さ、まあこれも満たしていますかね。無償化するだけなんで…とまあ口だけで言うのは簡単なんですけど、政策の簡素さというよりは導入に際しての政治的なリソースは結構割かれるかもしれませんね。この教育無償化…下手したら政権一つぶっ飛ぶくらいのインパクトは持ってますよね。

次回は学費減免(主に低所得者向け)について考えていきたいと思います。

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